読書日記


数年前に読んで、ふと気づくと台所に置いていたので思い出して書いてみます。




深夜の街中でとある姉妹を中心に夜明けまでの短い時間の中で進んで行くいくつかの物語。
渋谷の街で繰り広げられる現実と眠り続ける女性の意識の向こう側と相反する2つの世界で深い夜から夜明けを迎えます。




小説なのにとても静かな感じがします。

何も始まらず何も終わらない物語。

大学生時代、「ノルウェイの森」に衝撃を受けて以来村上春樹作品はほとんど読んできましたがそれらと比べ一風変わった作品だと思います。それはいつもならついつい感情移入しまくってしまう登場人物が出てくるのに今回はそれがなかったからでしょう。嫌いじゃないしむしろ好きなんですが読み終わった後の何も残らなさが逆に印象に残る作品だと思いました。